国×自治体 補助金 併用可否マトリクス

最終更新日 2026-05-14

住宅省エネ系の補助金は、国の制度と自治体の制度を組み合わせて活用できる場合があります。一方で、対象経費が重複する場合や、国費が充当されている自治体制度では併用できないこともあります。補助金ナビが公式情報を一次情報源として整理した「2026年度版 併用可否マトリクス」を以下にまとめます。

凡例

  • 併用が積極的に推奨される
  • 原則併用可(対象経費が重複しなければ)
  • 条件付き併用可(要綱・自治体ごとの確認必須)
  • 併用不可

併用可否マトリクス

国制度対象可否条件・注意点公式根拠
住宅省エネ2026キャンペーン 4事業介護保険の住宅改修費(バリアフリー・手すり等)対象工事の範囲が大きく異なるため重複しにくく、積極的な併用が推奨される代表例。介護保険は『手すり設置・段差解消・滑り止め床材・引き戸変更・洋式便器取替』に限定され、住宅省エネ系(断熱・給湯)と棲み分けが明確。厚生労働省 介護保険の住宅改修
みらいエコ住宅2026事業自治体の住宅省エネ系補助(断熱・省エネ家電購入等)国と自治体の補助対象経費が重複しなければ併用可。ただし国費が充当されている自治体制度は併用不可(公式注記)。住宅省エネ2026キャンペーン公式
給湯省エネ2026事業自治体の高効率給湯器補助対象経費が重複しなければ可。同一給湯器の同一経費に対して二重補助は不可。自治体の交付要綱で「国補助分を控除」と規定されているケース多数。給湯省エネ2026事業 事業概要
給湯省エネ2026事業(撤去加算)みらいエコ住宅2026事業の同一給湯器補助「みらいエコ住宅2026事業」で同一高効率給湯器の補助を受ける場合は、給湯省エネ2026の撤去加算は受けられない(公式注記)。給湯省エネ2026 ③撤去加算額の注記
先進的窓リノベ2026事業自治体の窓断熱・内窓補助対象経費が重複しなければ可。多くの自治体で「先進的窓リノベ2026の補助対象となる工事は対象外」と明記されている。各自治体要綱を要確認。先進的窓リノベ2026事業 事業概要
先進的窓リノベ2026事業過去年度の先進的窓リノベ事業(同一窓)先進的窓リノベ事業(令和4年度補正第2号)・2024事業・2025事業で補助金の交付を受けた開口部は対象外。先進的窓リノベ2026事業 補助対象注記
賃貸集合給湯省エネ2026事業自治体の集合住宅向け省エネ補助対象経費が重複しなければ可。賃貸集合住宅オーナー向け制度のため、利用者層が限定される。賃貸集合給湯省エネ2026事業 事業概要
住宅省エネ2026キャンペーン 4事業相互国内の他のキャンペーン構成事業同一住戸・同一工事で複数事業の併用が可能なケースがあるが、対象経費の重複は不可。例: 給湯器交換は給湯省エネ、窓改修は先進的窓リノベ、断熱改修はみらいエコ住宅と切り分けて申請。住宅省エネ2026キャンペーン公式FAQ
国補助の住宅省エネ事業国費が充当されている自治体補助「掲載している支援制度であっても、国費が充当されている制度は、本キャンペーンの各事業と併用できません」と公式注記。各地方公共団体への確認必須。住宅省エネ2026キャンペーン公式(ご注意ください)
DR家庭用蓄電池導入支援事業(SII)自治体の家庭用蓄電池補助本事業は住宅省エネ2026キャンペーンの構成事業ではなく別枠制度。自治体補助との併用可否は本事業の交付要綱と各自治体要綱の双方で要確認。DR家庭用蓄電池導入支援事業(SII)
みらいエコ住宅2026事業(リフォーム)他の住宅省エネキャンペーン3事業(窓・給湯・賃貸給湯)対象工事が分離していれば併用可。例えば断熱改修は『みらいエコ住宅2026』、給湯器は『給湯省エネ2026』、窓は『先進的窓リノベ2026』と切り分けて申請する形式が公式FAQで案内されている。住宅省エネ2026キャンペーン公式FAQ
国の補助金(住宅省エネ系)国の他の補助制度(重複申請)国の他補助制度との重複は不可。みらいエコ住宅2026事業の交付要綱では『当該住宅に対して、重複して国の他の補助制度から補助を受けることはできません』と明記。みらいエコ住宅2026事業 §他の補助金との併用

差額方式の計算例(実数字でシミュレーション)

多くの自治体は「国補助控除後の自己負担額」に対して補助率や上限を計算する『差額方式』を採用しています。具体例で挙動を確認しましょう。

例1: 給湯省エネ2026(エコキュート)× 横浜市の自治体補助(仮定)

仮に工事費用(給湯器本体+設置費)が 45 万円、自治体補助の対象経費率が80%、補助率1/3、上限5万円の自治体制度を想定します。

  • 国補助(給湯省エネ2026): エコキュート基本額 7 万円 + 性能加算 3 万円 = 10 万円
  • 差額方式の自治体補助対象経費: 45万円 − 10万円 = 35 万円
  • 自治体補助対象経費の80% = 28 万円。補助率1/3 = 約 9.3 万円。上限5万円により 5 万円
  • 合計補助: 10 万円 + 5 万円 = 15 万円。実質負担 30 万円

自治体側が単純合算方式(国補助とは無関係に契約金額に補助率を掛ける)を採用しているケースもあるため、自治体要綱の『補助対象経費』『対象外経費』を必ず確認してください。

例2: 先進的窓リノベ2026 × 県の窓断熱補助(重複工事を含むケース)

1 戸の住宅で窓 5 か所の内窓設置工事を実施し、合計費用が 120 万円、先進的窓リノベ2026 から 50 万円の補助交付決定を受けたケースを想定します。

  • 都道府県の窓断熱補助制度が「国の先進的窓リノベ事業の対象工事は補助対象外」と明記している場合 → 都道府県補助 0 円(事実上併用不可)
  • 都道府県の補助制度が「国補助交付決定額を控除した残額に対して 10% 補助、上限 10 万円」と明記している場合 → 残額 70 万円 × 10% = 7 万円
  • 都道府県の補助制度が「国補助対象外工事のみが対象」と明記し、別途ドア交換 30 万円を併行実施した場合 → ドア交換 30 万円 × 10% = 3 万円

このように、自治体の交付要綱の文言ひとつで併用結果は数十万円単位で変わります。必ず該当補助制度の交付要綱を読んでから契約・申請に進んでください。

例3: みらいエコ住宅2026 × 介護保険住宅改修費(バリアフリー)

ZEH水準住宅の新築(みらいエコ住宅2026 で 1 戸あたり 40 万円補助)と、両親同居のためのバリアフリー工事(介護保険の住宅改修費 上限 20 万円給付)を同一住宅で実施するケース。

  • みらいエコ住宅2026(新築): 40 万円
  • 介護保険住宅改修費(手すり設置・段差解消等): 工事費 20 万円のうち 9 割(18 万円)給付(要介護認定 + 事前申請必須)
  • 対象工事が分離している(住宅躯体の省エネ性能 vs バリアフリー個別工事)ため、原則併用可
  • 合計補助: 40 万円 + 18 万円 = 58 万円

実在する併用OK / NGの自治体パターン

自治体補助の交付要綱で『他の補助制度との併用』の扱いは大きく以下4パターンに分類できます。お住まいの自治体がどのパターンか、要綱で必ず確認してください。

パターン A: 国補助との併用を明文化(限定的併用OK)

要綱に「ただし、本市の補助金とそれ以外の補助金(国・都道府県・他市町村等)の合算額は、対象経費の額を超えてはならない」等の明文化された限定。横浜市・大阪市など大規模都市の住宅省エネ系補助で多い形。

パターン B: 国補助との重複を全面禁止

要綱に「国の補助金との重複は受けられない」「国の住宅省エネ系事業の補助対象となった工事は本補助の対象外」と明示する自治体。地方都市・町村レベルで多い。こちらは併用不可

パターン C: 国補助控除後の自己負担額に補助率適用

要綱に「国・都道府県の補助金の額を差し引いた残額を対象経費とする」と明示。差額方式の典型。上記の計算例1・2が該当。

パターン D: 自治体補助のみで完結(国補助対象工事と切り分け)

要綱に「本補助の対象工事は国補助の対象範囲外の工事に限る」と明示。例: 国補助の対象外となる工事(独立した塗装工事・耐震診断・小規模な改修)に限定。

確認の流れ(実務手順)

  1. 国制度の対象経費を特定:公式サイト(給湯省エネ2026・先進的窓リノベ2026 等)の「補助対象」「対象経費」セクションを確認し、自分の工事のどの部分が国補助の対象になるか明確にする。
  2. 自治体補助の要綱で「他の補助制度との併用」を確認:自治体の交付要綱を読み、「国・都道府県の補助を受ける場合は本補助を受けられない」「国補助控除後の額に対して算定」等の規定があるか確認する。
  3. 業者の見積書で経費区分を分離:補助対象/対象外の経費が分離記載されているかを確認。一括見積で内訳が不明な場合は業者に明細を依頼。
  4. 申請順序を確認:先に国へ申請して交付決定後に自治体へ申請するパターンと、逆パターンがある。各要綱で順序が指定されている場合あり。
  5. 不明点は窓口に直接照会:各事業のお問い合わせ窓口(住宅省エネ2026は4事業合同窓口)と、自治体補助担当課の両方に確認。

よくある失敗例

  • 同一給湯器に国・自治体の両方を申請して二重補助とみなされ却下:給湯省エネ2026の対象機器に自治体補助を上乗せしようとして却下された事例。自治体側が「国費が充当されている自治体制度」に該当する場合も同様。
  • 業者の見積に国補助分が予め引かれていることに気付かず自己負担を過大計算:登録事業者が国補助を契約代金から充当する方式の場合、自己負担額は契約金額そのものではなく国補助控除後の額。これに自治体補助の対象経費を計算する。
  • 過去年度の同一窓・同一給湯器の補助を受けたものに再申請:先進的窓リノベの過去年度事業で補助を受けた窓は2026事業の対象外。給湯器も同様の制限あり。

よくある質問

国と自治体の補助金は基本的に併用できますか?
原則として『対象経費が重複しなければ』併用できます。同一の工事費・購入費に対して国・自治体の両方から補助を受ける『二重補助』は禁じられているのが原則です。各事業の交付要綱で『他の補助制度との併用』条項を必ず確認してください。
「国費が充当されている自治体補助」とは何ですか?
自治体が独自財源ではなく、国の交付金等を原資として実施している補助制度を指します。住宅省エネ2026キャンペーンの公式では、こうした制度はキャンペーンの各事業と併用できないと明記されています。判断が難しい場合は当該自治体に直接お問い合わせください。
見積もりに国補助分が既に引かれていれば自治体補助を上乗せできますか?
原則として、国補助の対象経費から差し引いた残額に対して自治体補助を計算する『差額方式』を採用している自治体が多いです。業者の見積書で『国補助控除後の自己負担額』が明示されているか必ず確認してください。
1つの工事で複数の国制度を併用したい場合はどうすればよいですか?
住宅省エネ2026キャンペーンの構成4事業は、対象部位(給湯器・窓・断熱・賃貸給湯)が分かれているため、同一住戸でも工事内容を切り分けて複数事業に申請できます。ただし、同一工事の同一経費に対して複数事業から補助を受けることはできません。

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※ 本マトリクスは補助金ナビが公式情報を整理した参考情報です。各事業の最終的な要件・併用可否は必ず各事業の公式FAQと自治体要綱でご確認のうえ申請してください。補助金ナビは補助金の受給を保証するものではありません。